わたしが新築戸建を選んだ理由

おうちづくり

はじめに

「家を持つべきかどうか?」
この問いは多くの人にとって人生の重要な選択だと思います。わたしは最終的に 新築戸建て(注文住宅) を選びました。本記事では、その選択の背景にある考え方、他の選択肢(マンション・賃貸)を選ばなかった理由について、わたしの視点から整理してお伝えします。

背景にあった経済的な見通し

▶ インフレ時代をどう見るか

わたしは、今後の日本は 緩やかなインフレが続く可能性が高い と考えています。世界的に物価は上昇傾向にあり、日本でもようやく賃金や物価のバランスが見直されつつあるように感じます。
世界と比べるとかなり物価上昇率に差があり、このまま差が開き続けるのではなくどこかで収束するのではないかと考えています。

消費者物価上昇率(IMF統計)[単位:%] (2000年~2024年)

参考:消費者物価上昇率(IMF統計) – GLOBAL NOTE

▶ 人口減少による影響

長期的には 人口減少によって土地価格、住宅価格の減少の可能性 があると思います。この点を重視すればもう少し決断する時期をずらすというのもひとつの手だと思います。ただし立地や供給バランスにより影響が異なるため、インフレとの相殺で価格が安定または上昇する可能性も十分あると考えられます。

▶ 建築業界の動向

今後、建築業界の労働人口は減少傾向にあると話題になっています。特に年配の方が多く、急激な労働人口の減少が見込まれます。このような状況下では労働人口不足の賃金上昇やインフレにより住宅価格の高騰が考えられます。2025年現在において、すでに着工の遅れや契約中の工務店の倒産が話題になっています。話がそれますが、ハウスメーカーや工務店と請負契約を結ぶ際には住宅瑕疵担保責任保険の加入は必須だと思います。また、ウッドショックやコロナ禍を経て建築費が5年ほどで1.3倍程度になっているそうで、一度上がってしまった費用はなかなか元には戻らないと言われています。

総合的に考えて、わたしは「買うなら早い方がいい」 と判断しました。

住まい形態の特徴

▶ 住まい形態の比較

住まい形態メリットデメリット
戸建て・老後の住居費不要(ローン完済後)
・修繕箇所を自分でコントロールできる
・移動しづらい
・自然災害のリスク責任
・維持費、固定資産税
・建設コスト増加
・住宅価値の維持が難しい
マンション
・立地が良い場所が多い
 →資産価値の維持がしやすい
 →住み替えできる
・管理費・修繕積立金の固定費
・修繕費の高騰リスク
・人口減による空室増
 →修繕費の不足
賃貸・ライフスタイルに合わせて自由に引っ越し可能
 →リスク回避が容易
 →所有リスクを避けられる
・高齢で借りづらくなる懸念
・家賃の高騰(供給減+インフレ)
・家賃に様々なコストが内包(固定資産税、家賃未払い費など)
・ファミリー層の物件が少ない

▶ わたしが特に意識した点

住まい形態ポイント
戸建てハザードマップ、耐震性などを意識することでデメリットの自然災害へのリスク責任を軽減できる
マンション
人口減少による空室とインフレによる修繕費追加の可能性が高い
→人気のあるマンションは影響が少ないだろうが価格が高くなる
賃貸インフレや建設事業者の減少により将来的に賃貸物件が減少する
→家賃高騰や新しい物件が減少する

戸建てを選んだ理由

戸建てを選んだ理由
年金生活が始まった際の ローン完済後の住居費ゼロの安心感 や、 修繕を自分で判断できる自由さ が大きかったです。修繕箇所の選択については「ここは直す」「ここは我慢する」を自分で調整することができます。デメリットとしては一度購入すると容易に移動できないため、マンションや賃貸と比べるとリスクが高くなりますが、購入する土地や耐震性を意識することで低減できると考えました。

マンションを選ばなかった理由
将来的に 老後も続く管理費や修繕積立金の負担 が避けられないこと、そして インフレにより修繕費の追加徴収が起こるリスク が高まっていると感じたからです。特に将来の年金生活を考えると年金に期待できない分、将来の出費を抑えたいと考えました。また、修繕箇所を自由にコントロールできない点も不安要素でした。将来、仮に購入した物件の空室割合が多かった場合、マンション全体の積立が修繕費用に足りず、立ち行かなくなる恐れを感じました。

賃貸を選ばなかった理由
地震などの災害リスク回避や住み替えの自由などのメリットは魅力的ですが、 高齢になると借りづらくなるリスク や、将来的に 家賃が高騰する可能性 を強く感じました。ローンを組んでしまえばわたしが想定する将来的なインフレの影響を軽減できると考えました。

戸建ての中で「新築」(注文住宅)を選んだ理由

戸建ての住まい形態メリットデメリット
新築(注文住宅)・理想を実現できる
・耐震性や断熱性能などを自分で検討できる
・ハウスメーカーや工務店を選ぶ自由がある
・費用が高くなる
 →立地の選択肢が減る
新築(建売住宅)・費用を抑えることができる・見えない部分(壁の中など)の品質に不安がある
(手抜き工事の可能性)
中古(注文住宅/建売住宅)
・費用を抑えることができる
 →リフォームすることで理想を実現できる
 →立地の選択肢が増える
・古い耐震基準の場合がある
・過去のメンテナンス状況が不透明

手抜き工事については大手ハウスメーカーの新築(注文住宅)でも話題になる世の中なので、建売住宅に限った話ではないと思います。費用を比較的に抑えられる新築(建売住宅)も魅力的でしたが、わたしは最終的に工務店での 注文住宅 を選びました。
工務店 を選んだ理由や感じたことなどはまた機会があれば記事にしたいと思います。

まとめ

選択の「正解」は人それぞれ

家の選び方に「絶対的な正解」はありません。
どんなに検討を重ねても災害に見舞われるなど運の要素があると思いますし、ライフスタイルや価値観、将来設計によって、最適解も変わると思います。この記事も、わたしの新築戸建てを選んだポジショントークにすぎません。ただ、わたしにとっては 新築戸建て が正解だったと思います。

最後に、この記事が住まいについて悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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